高校数学でわかるボルツマンの原理, 竹内 淳

「高校数学でわかるボルツマンの原理―熱力学と統計力学を理解しよう」, 竹内 淳, ブルーバックス

読んだきっかけ

以前化学で、公式だけ与えられて「この化学反応では、この式にこの値を代入して……ほら!放出される熱量が計算できた!」ということをやる機会があったのですが、正直訳が分かりませんでした。頭の中が、なぜその式が成り立つの?その定数はいったいなんなの?そもそもその項は何を表しているの?エンタルピー?エントロピー?ギブズエネルギー?なにそれ?という状態で、うーんという感じでした。

仕方ないので、図書館に行ってみて参考になりそうな本を探していたら見つけたのがこの一冊です。もう一冊別の本を借りて読みましたが、化学反応を考える上ではそちらの方が参考になりました。熱力学で理解する化学反応のしくみ, 平山 令明 - しゅれりんさんちのおふとん

感想

高校数学を一通り学んでいる人ならば、ペンを片手に楽しむことができる本だという印象を持ちました。ところどころ根気よく挑まなければならない部分がありましたが、いくら考えてもピンとこない時は一番最初から式だけ追うようにざっと読み返してみたら、徐々に理解できるようになりました。
後半、統計力学の話が出始めてくるあたりで途端に難しくなり、数式を変形するのになれていないと、最初はわけがわからなくなってくると思います(実際に私がそうなりました)。結局、最後の方のフェルミディラック統計やらなにやらはよくわかりませんでした……。この辺はおいおい学んでいこうと思っています。

一通り読んで、熱力学の基礎となる考え方は身についたように思います。少なくとも、エンタルピーやエントロピーといった熱力学の概念の表したいものを大まかに感じ取れるようにはなったので、今後に生かせそうです。

熱力学の基礎や、熱力学の式の意味をざっと知りたい人にはオススメの一冊です。